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女性の検診・健診のススメ|愛クリニック 妙高市美守の産科,婦人科,小児科
子宮がん検診のススメ
例えば、アメリカでは85%を超える女性が子宮がん検診をしっかり受け、子宮がんの原因となるウイルス感染を予防するワクチンの接種が義務化されているため、子宮がんにかかる方も、子宮がんで亡くなる方も減り続けています。
日本人のがん検診受診率は25%くらいです。
30歳未満の方に限ればたったの10%にもみたないのです。
予防接種は、2010年に公費助成が始まり、2013年に定期接種の予防接種となったのですが、いろいろあって、意欲的に勧奨するのは控える、という、ちょっと理解の難しい状態となり、今は、予防接種を受ける方が非常に少ない状況です。
定期接種なので、対象の方(中1から高1の女子)が希望すれば現在も無料で予防接種を受けることができます。(自由診療ですと、5万円くらい費用のかかる予防接種が、公費負担で受けられるのです。)
産婦人科の担当医として、個人的には、予防接種もぜひ受けてほしいなと思っていますが、周囲の人たちが打ってない予防接種を自分だけ(自分の子供だけ)打つという決断をするのはとても勇気のいることと思います。
そこで、ぜひ子宮がん検診を受けることをおすすめします。
20歳になったら子宮がん検診を受けましょう。
どんながんになっても大変なのですが、大腸がんとか、肺がんとか、胃がんとかは、わりと高齢になってから、かかりやすいがんです。がん検診は40歳を超えてから受ける、というのでもいいと考えています。
子宮がんに関しては、もっと早い時期から、かかる心配があります。
20歳からかかる割合が増えていきます。
20歳、30歳で子宮がんになってしまったら、病気になって大変というだけでなく、妊娠、分娩もできなくなってしまうかもしれないのです。
人生が大きく変わってしまいます。
若いころの子宮がんは、世代を超えた一大事ということです。
若いころから増えてくる子宮がんですが、やはり、年齢が上がるとともに、かかる人も増えてきます。閉経したら、もう検診を受けなくてもいいのかと思っていた、という方が時々いますが、がん検診をしっかり受けていれば、病気があったとしても、がんになる前の段階で見つけ、治療することができ、治療の負担も軽くすむことが多いです。
20歳過ぎたら、年に1回は子宮がん検診を受けましょう。
(2016.5.5 院長ブログ 気分はコンペートーより転載)
乳がん検診のススメ
日本人の女性で、乳がんにかかる方は年々増えてきています。
日本人の女性がかかる、がんの中で1番多いのが乳がんです。
毎年約9万人の方が新たに乳がんと診断されます。
なんと一生涯のうちに乳がんと診断される方は11人に1人とも言われています。
女性のがんのうち、4分の1が乳がんです。
病気になってしまう方は多い乳がんですが、死亡に至るケースはそれほど多くありません。
日本人の女性のがん死亡の中で1番多い大腸がんに比べると、その約半分です。
かかる人が多いのに亡くなる方はそれほど多くないということは、乳がんになっても治る方や、治療をしながらも元気に過ごせる方が多いということです。
しかし、進行してからがんが見つかると、治療も負担の大きいものになりますし、十分に治療の作用が出ない場合もあります。
早くに見つけて治療するためには、乳がん検診を定期的に受けることをぜひおすすめします。
40歳以上で2年に1回マンモグラフィを受けるのが自治体などの検診の標準です。
現在の検診受診率は30~40%と言われています。
まだまだ受けていない方がたくさんいると思います。ぜひ受けていただくことをお勧めします。
しかし、マンモグラフィ検診で異常がなかったからと言って、乳がんは心配ないと安心していてはいけないのです。
マンモグラフィでは、がんが見つかりにくい、高濃度乳房とかデンスブレストとか言われる体質の方が、日本人には多いからです。
日本人女性の約40~70%が高濃度乳房と言われています。
自分が高濃度乳房かどうかは、マンモグラフィを撮影しないとわからないので、検診をうけて、高濃度乳房である場合、本人に通知する仕組みづくりを、厚生労働省が整備中です。
また、妊活中、妊娠中、授乳中ということで、マンモグラフィを避ける方もいらっしゃいます。最近、妊娠分娩する年齢が上がってきているので、乳がんの検診をぜひ受けていただきたい年代の方が、あまり乳がん検診を受けていないのが現状です。
乳がんは30歳から増えてきて40歳半ばから60代までが、なりやすい年齢です。
乳がん検診の基本はマンモグラフィなのですが、妊娠中で被爆が気になる方、高濃度乳房と言われた方、若い方や授乳中で高濃度乳房が疑われる方、それから、マンモグラフィ検診が時間がなくて受けられない方、痛みが怖くてマンモグラフィを受けるのをためらっている方などは、ぜひ超音波検診を受けてください。
超音波検診では、高濃度乳房の方のマンモグラフィで見つからなかったがんが見つかることもあります。腫瘤(しこり)になっているがんは、マンモグラフィより超音波のほうがよく見えることが多いです。
ただし、超音波検診では、偽陽性といって、実際はがんでないのに、がんの疑いとして精密検査をすすめられることが、マンモグラフィより多いという欠点もあります。
当院では、触診と超音波による乳房の検診を4,500円(税込)で行っています。
10年後も20年後も元気でいるために、心配なことがあったらいつでもご相談ください。
(H29.6.7 記す)
性行為感染症・体液接触感染症 検診のススメ
他人事ではありません!
クラミジア感染症・淋菌感染症・梅毒感染症が、近年、若い一般の人たちの間で増え続けています。これらの感染症は、ほとんど症状のないまま、感染が進行していることもあるのです。
また、肝臓がんの原因となる B型肝炎、C型肝炎の感染も増えています。肝炎は、幼児期の遊びの中でのひっかき傷や、噛みつきなどでも気づかないまま感染している可能性もあります。大人になってからの性行為でも感染することがあります。
感染症は自分の健康を害するばかりでなく、パートナーに病気をうつしてしまったり、不妊や流早産の原因となったり、感染を知らずに妊娠すると胎児にも菌やウイルスが移行し、次の世代まで病気を残してしまったりすることもあります。
婚活中・妊活中の方や、自分が知らないうちに病気にかかっていないか心配で、一度検査を受けておきたいとお考えの方は、医師、看護師にお申し出ください。
検査は自由診療となります。
検査の結果、加療が必要になった場合は、保険診療が適用されます。
- 感染症検査1(血液による検査)4,800円(税込)
B型肝炎、C型肝炎、HIV(エイズ)、梅毒 - 感染症検査2(膣分泌物による検査)5,900円(税込)
クラミジア、淋菌、カンジダ、その他の細菌
女性向け健康診断のススメ
女性のための健康診断を行います
女性の体は、初経・妊娠・分娩・更年期・閉経などホルモンのダイナミックな変化がおこるので、それぞれの時期で気を付けていかなければいけないことも変わっていきます。また、進学、就職、結婚など環境の変化により体調も左右されやすいものです。
女性は妊娠・分娩・子育て・孫育てを担う性なので、女性の健康は、次の世代の健康にまで関与します。
いつも、いつまでも元気でいられるように、そして次の世代まで元気をつないでいくために、ぜひ女性のための健康診断を受けましょう。
- 基本健診 5,800円(税込) 肝機能、腎機能、貧血、糖尿病、脂質代謝異常、甲状腺機能などを調べます。
- オプション1 更年期ホルモン検査
上記プラス2,500円(税込)
女性ホルモン卵胞刺激ホルモンなどを調べ、更年期障害治療に役立てます。 - オプション2 血栓素因検査
上記プラス2,100円(税込)
静静脈血栓、肺塞栓などのリスクを調べます。特に、OC、LEP、HRTなどのホルモン治療を受けている方におすすめです。 - オプション3 卵巣予備機能検査
上記プラス6,000円(税込)
卵巣に残っている卵子の数を予測し、不妊治療の必要性などの参考にします
新生活に向けてのワクチン評価チェックのススメ
ワクチンで防げる病気(VPD)は予防しましょう 大人も予防接種を受けましょう
麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜなど、ワクチンで防げる病気を、VPD(Vaccine Preventable Disease)といいます。
子供のころに予防接種をした方でも、時間の経過で抗体価が下がっていたり、何らかの理由で予防接種を受けていなかったりで、抗体の値が低く病気にかかりやすい方が、案外、大勢います。大人になってからの感染は、重症化しやすく、また、妊娠中の罹患では、胎内で赤ちゃんに病気をうつして赤ちゃんに障害が出てしまうおそれもあります。
これから、親元を離れて、進学・就職する機会や、これから、結婚、出産の予定のある方は、ぜひ、抗体価を調べ、感染しやすい状態ならば予防接種を受けましょう。
麻疹ウイルス、風疹ウイルス、おたふくかぜウイルス、水痘帯状疱疹ウイルスの4種のIgG抗体価 7,600円(税込)
いずれか、1~3種類の検査もできます。
風疹抗体検査は条件によっては、市の助成が出る場合もあります。詳しくはご相談ください。
参考文献
・子宮頸がん検診に関する調査報告書 2008.3 子宮頸がんから女性を守るための研究会
・国立がん研究センターがん登録・統計